大航海時代の船員たちの食事は資料によって差異はあるものの、それはそれは凄まじいものでした。
水夫の一日の食事はおよそ「カンパン1ポンド(約2.2㌔)」「塩漬け肉1ポンド」
「ビール1パインド(約4.5㍑)」船によってはチーズが出ることもあったそうですが、その内容は・・・
カンパンは船底から染み出す 湿気ですぐに穀象虫が涌いてしまい、
常にカンパンの中からは大量の穀象虫が蠢く音がしていたそうです。
しかもあまりに大量の穀象虫が巣くっているので、カンパンを揺すって
虫を落とそうとしたら、虫食いで脆くなったパンそのものが粉々に
崩れてしまっていたとか・・・。
塩漬けの肉も、どんなに塩を効かせても必ず蛆が涌くのですが、水夫は樽の
中に毎日生魚を上に置いたそうです。 何でこんな事をするのかと言うと、
蛆が塩漬けの肉よりも新鮮な生魚の方を好むからだそうで、生魚の方に蛆虫が
集まったら蛆のたかった魚を捨てて、樽の中の塩漬け肉を取り出したそうです。
チーズはもっと凄く、当時の言葉で「船のチーズには足が生える」と言う言われ方を
していたそうです。これはどういう意味かというと、湿気のこもった船倉ではチーズ
などはすぐに腐って蛆が涌くのですが、あまりにたくさんの蛆がチーズに涌くので、
まるでチーズが浮き上がって動いているように見えるからこの様に言われたのだとか。
水はビールか薄めたワインか薄めたラム酒でしたがこれにも常に青藻が発生していたとか。
このような劣悪な食事事情でも一般庶民で質はともかく一日にこれ程の量の食事が
出来る者は殆どおらず、それどころか一家族全員ですらこれより少ない食料しか得ら
れない事もザラだったそうです。
水夫は当時はまさに人気の職業でしたが、それでも数がそろわないことが多々あり、
港の傍には常に軍艦が待機していて頻繁に臨検→船員強制徴発が行われていたとか。
それを拒否して戦闘になることも頻繁にあったそうです。あぁオソロシや。
有名な海賊「キャプテンキッド」はロンドンで海賊退治の私掠勅許状を貰って、
意気揚々と出港、直後にイギリス軍艦に臨検されたあげく水夫をごっそり
強制徴募され、航行すら満足に出来ないくらいに残った人員で泣く泣く
ニューヨーク行ってようやく集めた水夫がトンでもないゴロツキ揃い。
そいつらに引きずられて海賊へ転職したとか。
大航海時代Onlineでそういう仕様がなくてよかったと思います・・・。
PR